ふたくる01

「ホーリークロス!」

凛とした声がピラミッドダンジョンに響く。
長い銀色の髪、透きとおった紅(あか)い瞳の白い甲冑に身を包んだクルセイダーの少女―――
フィリアはフランベルジェを左から右へ払い、上から下へ打ち下ろし、計2発の斬撃をイシスに放つ。
白く十字に光る斬撃の軌跡の向こうでイシスが片手で顔を抑えるが見えた。

(よし、視界を封じた…!)

突然目が見えなくなったことで、錯乱したのかイシスは闇雲に腕を振り回している。
フィリアは隙だらけのイシスにトドメのバッシュ見舞おうと
フランベルジェを握る手に力を込める。

「バッ・・・!」

バッシュを叩き込もうと、フランベルジェを振り上げたとき
視界の端にマミーとイシスの集団が迫ってくるのが見えた。

(く、横沸きか…!?)

フィリアはバッシュを放つのやめ、迫り来るモンスター達のほうを振り向き
シールドを持った左手を振り上げると

「シールドチャージ!」

勢いよく放たれたシールドは先頭のマミーを直撃する。
シールドが直撃したマミーはその場に倒れこみ、一瞬後ろに続いていたモンスター達の足を止めた。
この隙にフィリアはイシスにバッシュを放ちトドメを刺す、と同時に再度モンスター達の方を振り向き
戻ってきたシールドをキャッチした。

「数が多いな…となれば、あれしか」

でも、この数だと耐えらないかもしれない…
フィリアは一瞬逡巡したが頭軽く振って迷い払うと、フランベルジェを鞘に収めると
目を閉じて…グランドクロスの詠唱を始めた。

(くぅぅ…)

フィリアが詠唱を始めると同時にモンスター達は殺到し、無防備なフィリアに
容赦なく攻撃を浴びせる。

(このままじゃ…!)

グランドクロスが発動する前に力尽きてしまうかもしれない―――

「ヒール!キリエエレイソン!!」

暖かい光がフィリアを包むと、傷が癒え
モンスター達の攻撃は見えない壁に遮られて、フィリアには届かない。

そして―――詠唱が完成した。

「グランド…クロスッ!!」

叫びとともに、フィリアを中心に十字の光の波動が迸りる。
光の波動とともにモンスターたちが消滅してゆくなか、フィリアは安堵の表情を浮かべたプリーストの女性を見ていた。

 

「はぁはぁ・・・アイシャさんのおかげで、助かりました」

フィリアは肩で荒い息をつきながら、腰まで届く金髪を後ろで束ねたプリーストの女性―――
アイシャに礼を述べた。

「当然のことをしたまでよ。
 それしにてもフィリア…貴女、無茶するわね」

先ほどの安堵の表情とはうってちがって憮然とした表情でアイシャはフィリアを睨んだ。

「う・・・」

アイシャは端整な顔たちの美人で目が切れ長であるため
睨むと底冷えするような迫力があり、フィリアは返答に窮してしまう。

「まったく、支援プリーストのわたしを置いてけぼりにして
 あんな猪武者にみたいに特攻したあげく、グランドクロスで自爆寸前・・・」

ふぅ、とアイシャはひとつため息をついて

「あんな無茶をするなんて、フィリア…」

神妙な顔でアイシャはフィリアを見つめる。

「は、はい…」

と、すこし緊張した面持ちのフィリア。

「貴女・・・うずくのね?」

「・・・(こくん」

アイシャの質問にたいして、頬をかすかに染めてフィリアは小さくうなづいた。

「なら・・・」

アイシャはフィリアの目の前で歩を進め、顔をよせると

「わたしが鎮めてあげるわ・・・」

と、耳元で囁いた。

「え・・・いや、でも、そんな!」

真っ赤になって慌てるフィリアの様子など意に介さずに、アイシャはフィリアを抱きしめて

「ワープポータル」

を唱えてフィリアの真後ろにポタを発動させると、フィリアに口づけて

「んんぅ…!?」

そのまま押し倒して、ふたりは光の柱の中へすいこまれて行った。

 

ドサっという大きな音をたてて、ふたりはベッドの上に降りたった。

「ここは…?」

と、尋ねるフィリアに対しアイシャは苦笑しながら答えた。

「よく周りを見てみなさいな、ここはわたし達の部屋よ」

「あぁ、たしかに・・・」

よく見ようにも押し倒されるようにポタに入ったせいか
アイシャに組み敷かれた体勢になっているため、首だけを動かして部屋を見回すと
ここは自分たちが拠点にしている、プロンテラの宿屋の一室だった。

「さて、と・・・」

アイシャは呟くと、不意にフィリアの唇を奪った。

「んぅ・・・ぷはぁ、なにをいきなり!?」

フィリアはアイシャを押しのけると、抗議の声を張り上げた。

「鎮めてあげるって言ったでしょ?」

アイシャはそう言って、フィリアを見つめる。

「いや、でも・・・」

と、口ごもるフィリア。

「それに、ここはこんなに窮屈そうよ」

アイシャはフィリアの股間のあたりを見つめると
そこはまるでテントを張ったように膨らんでいる。

「あ・・・」

フィリアはそう声をもらし、羞恥心からトマトのように真っ赤になってしまう。

「今、楽にしてあげるわ・・・」

アイシャはフィリアのズボンを下着ごとずり下ろすと
押さえつけられていた本来なら女性にないもの―――
ペ○スがまるでバネ仕掛けかなにかのように、跳ね出した。

「うぅ・・・」

いきりたつ自分のモノを見たフィリアは恥ずかしさと嫌悪感から、顔を背けてしまう。

これが―――フィリアを苦しめているもの。
フィリアは女性にはあるはずのない男性器ももって生まれたため、男と女…ふたつの性的欲求を内包している。
だから、本来ならばありえない男のモノの欲求は耐えられないうずきとなって、彼女を苦しめるから
無茶な戦い方で全力をつくして、体のうずきを忘れようとしていることを―――
自分の体のことを誰にも相談できずに苦しんでいたことを―――

アイシャは、すべて知っているから

「んぅ…れろ・・・」

自ら淫らな行為で、フィリアを鎮めるのだ。

「ひゃ…あぁんっ」

アイシャにペ○スを根元から先端まで舌で舐められて、フィリアは思わず嬌声をもらしてしまう。

「んっ・・・ちゅ、れろ…」

「あ、あぁん・・・」

アイシャの舌が通るたびにフィリアは甘美な声をもらす。

「んんぅ…ちゅぷ…ぴちゃぁ…まだ、大きくなる…」

「あぁんぅ…」

アイシャに舐められているうちに、フィリアから羞恥の色は消え
とろん、とした表情ですこし控えめだけれど、甘い声をあげていた。

「んふぅ…ちゅる…ちゅ…きもちいい?」

「んぅ…きもちいい、です」

そう答えながら、フィリアはわずかに腰を動かす。
もっと気持ちよくしてほしい―――、と。

「んふふっ♪…咥えてあげるわ、はむっ…んん」

「あぁぁん!」

アイシャに咥えられて、フィリアは一際大きい声をあげる。

「んくっ…じゅる、ちゅぷ…じゅるる・・・」

「ひゃ、あぁん、いいっ…」

アイシャの口の中と舌の感覚に酔いしれたように、フィリアは喘ぐ。

「じゅる…ちゅくぅ…んふぅ・・・」

「ア、アイシャさん…いいっ、もっと・・・」

フィリアは半身を起こして、アイシャの頭の上に手を置くと
腰をゆっくり動かし始める。

「んむぅ…!」

急なフィリアの動きにアイシャは一瞬驚いたが、口の中と舌を唾液でたっぷり濡らして
動きやすくして

「んぅ・・・ひひわぉ、うふぉいへも」

アイシャは咥えたまま「いいわよ、動いても」といった。

「あぁん、いいっ!」

咥えられたまま喋られたことによる強烈な快感に声をあげながら、フィリアは腰を前後しはじめた。

じゅぷ、じゅぷぅ、ぬちゅ…

淫らな水音が響き、アイシャの口からあごを伝って唾液が流れ落ちてゆく。

「ふぁ、あぁぁん!だめっだめっ…もぉ出そう」

「んふ、だひてもひひわぉ…」

フィリアの腰の動きが加速する。

じゅぷ、じゅちゅ、ずちゅ!

「んぅ、でる、でちゃぅ…!」

フィリアは頭の中が真っ白になって何もみえなくって、最後に一際ペ○スが膨らみ

「イクっ、イくぅぅぅんっ!!」

びゅぅ、びゅく!びゅるっ!

白くて熱い欲望の奔流をアイシャの口の中に流し込んでいた。










「んぐ、こくっこくっ…」

アイシャは口の中に出された大量の精液を、時間をかけてようやく飲み下した。

「はふぅ…こんなに出すなんて」

と、一息ついてフィリアを見ると…

「あらあら…」

すぅすぅ、と仰向けに倒れて安らかな寝息をたてていた。

「まぁ、あれだけ戦ったあとでヤっちゃったんだから…仕方ないわね」

アイシャはフィリアに下着とズボンをはかせてから、ベッドを降りると
風邪をひかないように毛布をかけてやる。

「おやすみなさい・・・ちゅっ」

と優しくキスをして、部屋のソファのほうに向かう。
一度、名残惜しそうにフィリアのほうを振り返ってから、アイシャはソファで横になった。

(フィリアがど真ん中に陣取ってなければ、わたしもベッドでお昼寝できたのに・・・)