雪奈は夢を見ている。
甘く淫美な、彼女自身が夢見る行為の虚構を―――。


「ん…あ…」
雪奈の胸を白い手が包み込む。
「兄様…」
熱のこもった呟きをもらし、雪奈は肩越しに後ろから抱きしめている兄、雪乃を振り返えった。
雪乃を見つめる雪奈の瞳は潤み、不安げに揺れている。
「わたしに任せておけば大丈夫だよ、雪奈」
「は、はい…」
小さな声で応え、こくんと頷く雪奈。
お互い裸である恥ずかしさから、そう答えるのが精一杯だった。
「んぅ…ふぁ…」
雪乃の女性のように細くしなやかな指が、雪奈の胸を揉みしだき、その形を変える。
「雪奈の胸柔らかくて、吸い付くみたいだ」
雪乃は雪奈の耳元で囁きながら、手を動かし胸を揉む。
「んん…」
手が動くたびにふわふわとマシュマロのように自在に形を変え、雪奈のぎゅっと結んだ唇から羞恥混じりの嬌声が漏れる。
「気持ちよかったら、声出していいんだよ?」
と、雪乃はつん、と立った胸の突起を軽くつまむ。
「ひゃ…あぁん…!」
雪奈はびくんと背を仰け反せ、引き結ばれていた唇から大きな嬌声があがる。
「すごい声…。今の良かった?」
「や…そ、そんなぁ…あ、そんな、こと…言われても」
こりこりとした乳首を刺激され、雪奈の言葉が途切れ、途切れになる。
雪乃はそんな雪奈の可愛らしい反応にくすくすと笑みを浮かべて
「そんなこと言われてもーって、ここ…こりこりになってるよ」
と、いたずらっぽく囁きながら、雪奈の乳首を刺激する。
「いやぁ…い…んぅ…言わないで…ください」
意地悪な物言いと恥ずかしさに耐えかねて、雪奈は涙ぐんでうつむいてしまう。
「ごめん、雪奈…」
雪乃は素直に謝ると、愛撫していた手を止めて、腕に力を込めてぎゅっと雪奈を抱きしめる。
「兄様…」
と、呟いて、雪奈は自分を抱きしめている兄の腕に手を重ねてそっと目を伏せる。
背中から伝わってくる雪乃の鼓動の音と、温かさに雪奈は安堵の表情を浮かべる。
「雪奈、落ち着いた?」
「はい…」
こくんと頷く雪奈。
「それじゃあ、再開しよっか」
「兄さ…ひゃぁん!」
雪乃は抱きしめていた腕を解くと、両手で雪奈の双丘を揉みはじめる。
人差し指と中指の間に固くなったしこりを挟んで、摘んで捻りながら刺激しつつ、手の平で胸を揉みしだく。
「強く、いくよ」
手に力を込めて激しく、けれど痛くないように気を遣って愛撫する。
「あん…つよっ…すぎ…んぅ!」
びくびくと腕の中で暴れる雪奈を、雪乃は執拗に責めたてる。
「ひゃ…あぁん!兄様…だめぇ…だめぇ!!」
愛情と欲望の孕んだ激しい愛撫で、雪奈を嬲るのに
「雪奈、大丈夫だよ」
雪乃が口にするのは愛の言葉。
「あぅ…んぅ!でもぉ…びりびりして、変な…感じっ!んふぅ!」
銀色の髪を振り乱して喘ぐ雪奈。飛び散る汗と銀の髪がきらきらと光っている。
「わたしは、ちゃんとここにいるから…大丈夫」
「兄様ぁ…んふぅ…あぁ…」
先ほどまでの激しい愛撫とは異なり、今度はさわさわと優しく撫でるように愛撫する。
雪乃の優しい言葉と愛撫、それにさっきまでの刺激と快感に雪奈は堕ちていく。
「あ…きもち、い…」
初めてそんな言葉が雪奈の口から漏れる。
「ふふ…もっと、気持ちよくしてあげるよ」
「え…兄様?」
雪乃は雪奈の胸から手を離すと、手を雪奈の股間に挿し入れる。
「きゃ…だめ、兄様っ!」
雪奈は慌てて足を閉じて、雪乃の手をふとももで挟む。
「だめなの…?」
「や…でも…そ、そこはぁ…」
ソコを他者に触れられることを恥ずかしく感じるココロと、触れられることを求めるカラダに
雪奈は恐くて泣きそうになるが…

ちゅぷり…

雪乃は雪奈の意を解さずに、指で秘唇を開き、雪奈の中に指を侵入させた。
「んぅ!んんん…っ!」
雪奈は唇を噛み締めて、背を反らすと―――そこで何かが白く弾けた。